【開催報告】ハートランドフェリー株式会社様「接客接遇マナー+カスハラ対策研修」
去る2026年2月9日から11日の3日間、利尻・礼文航路を運営するハートランドフェリー株式会社様にて、全従業員を対象とした「接客接遇マナーおよびカスタマーハラスメント(カスハラ)対策研修」を開催いたしました。
講師は、当協会理事であり、北海道労働審議会特別委員(カスハラ条例担当)を務める接客のプロ、菅原祐子氏が担当。フェリーという特殊な現場に即した、熱気あふれる3日間となりました。
「旅のロマン」を演出するプロの接遇
今回の研修の核となったのは、同社・蔦井社長のメッセージでもある『旅のロマン』の演出です。
「お客様にとって、フェリーの旅は非日常の特別な体験。ハワイへ行けるほどの高額な運賃をいただいているという自覚を持ち、それに見合う価値を接客で提供できているか?」という問いかけから研修はスタートしました。
菅原講師は、接客の極意を「心は形に表れ、形は心をつたえる」と定義。目に見えない「もてなしの心」を、笑顔・アイコンタクト・言葉遣いといった「形」にどう落とし込むかを具体的に伝授しました。
笑顔は「自分を守る武器」になる
研修の大きな特徴は、マナーを単なる「サービス向上」のためだけでなく、「従業員自身の身を守る術」として捉えた点です。
2026年10月の労働施策総合推進法の改正を見据え、深刻化するカスハラへの法的背景を解説。不十分な初期対応や無愛想な態度が、いかにクレームを増幅させ、SNS炎上の火種になるかを説きました。
「笑顔でいることは、相手をクールダウンさせ、自分への攻撃を未然に防ぐ最大の防御である」という視点に、多くの受講者が深く納得している様子が印象的でした。
現場の「あるある」を想定した実践ロールプレイング
研修後半では、受付窓口や船内での具体的なシーンを想定したロールプレイングを実施しました。
- 繁忙期の「迅速さ」と閑散期の「プラスワン」: 混雑時の90秒リミットを意識した対応と、余裕がある時の島民(常連客)への温かいお声掛けの使い分け。
- 具体的な話法: 否定的な状況でも角を立てない「クッション言葉」、相手の意見を受け入れる「Yes・but法」、丁寧な確認を促す「Ask話法」を、スクリプトを用いて繰り返し練習しました。
特に、若手スタッフが端末画面ばかりを見ず、しっかりとお客さまと目を合わせる「アイコンタクト」の重要性を体で覚える時間となりました。
受講者の声:高まるプロ意識
3日間の研修を終えた参加者からは、非常に前向きな感想が寄せられました。
- 「ハワイに行けるほどの運賃を頂いている自覚を持ち、接客で表現したい」
- 「笑顔一つで印象が変わり、クレームを防げることを学んだ」
- 「クッション言葉などの具体的な武器を手に入れ、明日からの接客に自信がついた」
- 「SNSの怖さを知り、初動対応を間違えないようにしたいと強く感じた」
おわりに
札幌販売士協会では、2025年4月に施行された「北海道カスタマーハラスメント防止条例」の普及とともに、道内企業の皆さまが安心して、かつ誇りを持って働ける環境づくりを支援しています。
今回の研修が、ハートランドフェリー様が目指す「お客様の心に残る、やさしさあふれる接客」の実現、そして従業員の皆さまの安全な職場づくりに繋がることを願っております。
